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私について 〜着物への興味・渡仏・ブランド立ち上げ〜
- はじめまして。jardinM studio代表・デザイナーの宮本と申します。
jardinM(ジャルダンエム)は、2019年に私が立ち上げたインテリアアイテムを展開する小さなブランドです。 -
- 今回このプロジェクトに参加するにあたり、少しでも多くの方にブランドコンセプトやブランドに対する想い、また私という人間を通して、なぜこのようなブランドを始めるに至ったのかを知って頂けたらと思っております。
少し長くなりますが、夢を抱いてから今日に至るまでの一貫したストーリーとなっておりますので、是非、最後まで読んで頂けましたら幸いです。 -
- 私は、京都で生まれ育ち大学までを地元で過ごしました。大学ではデザインではなく政策学について学び、時間を見つけてはバイトに明け暮れるごく普通の大学生でした。
ちょうど20歳を過ぎた頃、その当時おしゃれな浴衣が流通し始め、浴衣ブームになっていたということと、元々日本の伝統文化に興味を持っていたこともあって、着付け教室に通い出します。
今から思えばストーリーはここから始まっていました。
着物は知れば知るほど奥が深く、古典柄ひとつひとつに意味や願いが込められていたり、人や自然に対する敬意などが作法として根付いており、とても感銘を受けました。
中でも一番印象に残っているのが、花見で着物を着ていく時は桜柄の着物は控えるというもの。
それは、主役の桜に対する敬意なのだそうです。そのような自然に対しても敬意を持っていた昔の人々の感性が、今のこの時代にはなくなっているのはとても残念なことだなぁと感じました。
着物の精神性に魅了された私は、その後のゼミでは文化政策について学び、卒業論文は京都の和装振興をテーマに、着物を着たい人にどのように着物文化を広めたらいいのかを研究しました。 -
- 研究を進めていくと、私の中であるヒントのようなものが見えてきました。
今のこの大量生産大量消費の物質社会においても、素敵なデザインにアレンジすれば着物や浴衣もより幅広い層に受け入れられるということ。
着物を着てみたいという人は少なからず居て、着付けさえできれば着物や浴衣でお出掛けしてみたいという気持ちを持っている人がいるということ、そして、私たち日本人の古来からの感性はまだ失われてはいないということ。
ただ、忘れてしまっているだけだということに気が付きました。
また、その当時の私は社会に対して閉塞感や違和感、混沌として心の拠り所のようなものが失われていると感じていました。
この言いようのない殺伐とした空気はどこからくるのか。
スローライフという言葉が持て囃されだしたあの頃、社会に心があるとするならば、その心はだいぶ疲弊していた時代だったのではないかと思います。
物質的な豊かさから精神的な豊かさへ。
超物質主義・消費主義のバブル期、そして失われた20年を経て、時代が新しい価値観に向かおうとしている、そう感じました。 -
- この時代の転換期のようなときに何か心に寄り添うような、誰かの救いとなるような、そういうことに自分も仕事として関わりたい。
研究の中でさらに色んな文献を読んでいくと、ちょうど答えとなるような言葉に出会います。
「デザインとは問題解決である」
この言葉をある本で読み知った時、目から鱗が落ちました。
私が大学で勉強した政策学などが問題解決のための学問であるというのは理解していましたが、デザインも問題解決の一つの方法であるというのです。
浴衣や着物も柄を素敵にアレンジすれば、現代にも受け入れられたように、デザインの力で社会の問題を解決できるのだと深く理解しました。
そこである小さな灯火が私の心に灯り始めます。
もともと、アートやデザイン、音楽、読書と感性に訴えかけるものに囲まれる時間が大好きで、私にとって自分が自分でいられるとても癒しの時間でした。
何よりそういったものに自分自身が救われた経験がありました。
特にデザインについては、高校卒業後は本当はその道に進みたかったということもあり、勉強したいという気持ちが沸々と湧き上がってきました。
どうすれば人々がこの混沌とした時代を心豊かに暮らせるのか、またデザインを通していかに他人の人生を幸福にできるのか。
その問題解決の糸口を探すため、日本では失われてしまった感性価値、art de vivre(生活美学)の精神を学ぶべくフランスへデザイン留学することになります。 -
- フランスでの3年間は想像以上に大変な毎日でしたが、不思議と心が枯れてしまうようなことはありませんでした。
私が日々の暮らしで特に感じたことは、やはりフランスの生活美学の精神はとてもハイレベルで、美しいモノをみる審美眼が備わっている人が多く、そして個人個人が暮らしの中にそれぞれの美学を持ち、皆それぞれの感性を大切にしながら生き生きと心豊かに生きているということでした。
日本で感じていた閉塞感や混沌とした雰囲気はあまり感じませんでした。
良くも悪くも自分自身をありのままに生きていて、日本で言う昭和の古き良き時代をそのまま現代に引き継いでいるようにも感じました。
古い街並みや古いモノ・精神を大事にしながらも、新しいモノを創造しそれらを生活の中に上手く取り入れ、衣食住すべてが素晴らしい芸術でした。
帰国後は東京の小さなデザイン事務所やライフスタイルブランドのデザイナーアシスタントなどを経て、2019年3月、地元京都でjardinMを立ち上げることとなります。 -
ブランドの想い
- 『アイテムひとつひとつに想いとメッセージを込める』
これはブランド構想を練っていたときにまず決めた事でした。
jardinMの一番のコンセプトは、商品に想いや願いを込め、全てのアイテムにタイトルとメッセージを付けてデザインをしているというところにあります。
例えばPOINT and LINEやROADのような掛け時計は、インテリアアイテムの中でも1日のうちに何度も目にするものです。
時計を見るふとした瞬間に商品に込めた想いやメッセージを思い出して頂き、少しでも心が癒されたり前向きになってもらえたらという気持ちから、コンセプトやデザインを考えました。 -
- これはまさに着物の古典柄に通ずる、デザインに想いや願いを込めるという精神です。大学時代に学んだ着物文化とブランドコンセプトが点と点でつながった瞬間でした。
自分が生み出したものに名前をつけておきたいというのもありますが、メッセージを込める一番の理由はやはり私が作る何かで誰かの心が豊かになったり、気持ちが優しくなったり、心の奥に届くようなそういうものを作りたかったからです。
家は自分の好きなように居場所を作ることができる唯一の空間です。
また自分が自分らしくありのまま居られる場所です。
私自身、そのような居場所を作ることが許されなかった時期があったため、特段「家」という場所には夢や願いがありました。
もっと優しい、もっと心が潤う、そういう場所であってほしい。
そして、その居場所は自分自身の手で作り上げることができるのだということをブランドを通して伝えたい。
自分の好きなもので彩る自分の居場所。
一人一人が皆デザイナーであり、それぞれの美学を持って暮らしを豊かに生きることができるのです。
フランスで学んだ生活美学の精神は、きっと日本人にもあって、ただ皆どのように作り上げたらいいのか分からないだけなのではないかと思います。 -
- 『あなたの庭に、こころの花を』
どこにいようと
あなたはあなた自身の庭=
居場所を作ることができる
種を蒔き、花を咲かせ、
強く可憐に生きましょう
谷間に揺れる百合のように
このブランドメッセージには、「あなたの、あなただけのこころの花をどうか枯らさずに心豊かに生きてほしい」という願いが込められています。
また、ブランド名のjardinMという名前には、フランス語の jardin=庭 Mon=私の Muguet=すずらんという意味を込めました。
すずらんは別名、「谷間の百合」といいます。
谷間のような暗く人目につかない環境であっても、強く可憐に咲く花のように、混沌としたこの現代社会を強く生きていける支えとなるような、そんなインテリアブランドを目指して、命名しました。
色とりどりの花で庭を飾るように、様々なアイテムで部屋を彩る楽しさ、そして自身で居場所を創造する歓びを伝えたい。
また、このブランドが何か救われるような存在であってほしい…
そう願ってアイテムごとに伝えたいメッセージを込めて制作しています。
このjardinMというブランドを通して、こころの花を美しく生ける空間、居場所を作るお手伝いができたらと思っています。 -
プロジェクトで実現したいこと
- 今回のプロジェクトで実現したいことは、皆様のご支援で得た資金をもとに展開するアイテムを増やし、もっと豊かな暮らしを提案できるようなブランドに成長したいということです。
今はまだ資金面などの問題で、アイテム数が多くありません。
インテリアブランドとしてまだまだ未熟です。
作りたいもの=伝えたい想いはたくさんあるのですが、足踏み状態が続いております。
ブランドとして今後もっとたくさんのアイテムをお届けできればと考えておりますので、今回のプロジェクトでは通常の商品価格より全品10%OFF(消費税分)にて、ご提供できればと思います。
もし、少しでも気になる商品ございましたら、是非ご支援頂けると幸いでございます。
長文にも関わらず最後までお読み頂き、ありがとうございました。
jardinM studio
宮本 麻理子 -
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